医学生投資家あずまのメモ帳。

医学生が気になったことを適当にまとめるブログです。

東京医科大学の入試で女性と多浪が不利に。に対する医学生としての考え

 

こんにちは、あずまです。

 

東京医科大学の入試で、女子学生と多浪学生の入試の点数がこっそりと減点されていたことがニュースになりました。

 

このニュースについて、現役医学生としての意見を述べたいと思います。

 

 

resemom.jp

 

2018年度入試での属性による得点調整は、二次試験の小論文において実施された。小論文の点数(満点100点)に全員0.8の係数をかけて満点80点としたうえで、現役男子・1浪男子・2浪男子に20点、3浪男子に10点を加算。4浪男子と女子は加算0点とした。得点調整により、女子は現役・浪人を問わず、100点満点を取っても80点の得点しか得られなかったことになる。

 

  ※上記ニュース記事からの引用です。

 

現役〜2浪までの男子学生はセーフで、4浪男子学生と女子学生は加点なし。

間の3浪男子はその中間といった評価がされています。

 

東京医科大学は若い男性を優遇しており、女性と多浪はあまり必要としていないようです。

 

 

正直なところ、医学部に女子と多浪生が少ないのは周知の事実だと思っていたので、今更感があります。

女子に優しい医学部、多浪に優しい大学、反対に厳しい大学などは、多浪の医学部受験生であればほとんどが知っていることです。

 

 

多浪に関して。

私の大学には2浪までに合格した学生は多いですが、3浪以降は少なくなっています。

割合は現役と1浪がほとんどで、再受験・3浪以上がちょっといるイメージです。

 

多浪の学生が厳しい視線を浴びせられているのは、ある程度は理解できます。

それは、医学部の定員は限られているからです。

 

医学部の定員は大学側が勝手に増減させるものでなく、文部科学省が決めています。

人口動態や医師数に応じて調整を行われており、国家プロジェクトの一つです。

 

国家プロジェクトという目線で考えると、現役で入学して24歳で卒業する学生と30-40台になって入学して40-50台で卒業する学生は価値が同じではありません。

 

医師は一人前になるまでに約10年必要と言われており、実際に内科専門医とその先のサブスペシャリティの資格まで取得するためには、卒業後8年かかることになっています。

50歳で卒業したら、1人前になる頃にはもう60歳です。

1人前になったと思ったら、すでに定年間近です。

 

一方、現役で入学した学生なら内科専門医を取得してもまだ32歳です。

定年まで30年以上もあります。

 

限られた医学部の定員の中で、1人前の医師になってから働く期間を比較すると、

数年しか働けない人と、数十年間働ける人がいます。

このどちらを優先させるか。

 

これは明らかだと思います。

 

 

女子学生に関して。

これは、難しい問題です。

ちなみに私の大学では女子の割合が結構多いです。半分とまではいかないですが。

 

確かに性別が理由で医師になりにくいのは差別です。

しかし、女性医師は結婚・出産などの面から男性医師ほどコスパがよくないと言われております。

コスパの面で考えると、地域住民の健康を守るという目的を果たすためには男性医師が多い方が地域医療にはプラスになるかもしれません。

 

しかし、女性の受験生の身からすると自分が未来にどのような働き方を選択するかわからないのに、勝手に学校側に判断されるのはムカつきますよね。

 

そこが難しい問題です。

しかも、その試験の減点が前もって告知されておらず、勝手に減点されていたことも問題です。

せめて事前に告知していたら・・・少しはマシだったかもしれません。

 

 

結局は両方とも同じような問題です。

 

女性と多浪は理由は違うにせよ、共に医療界にとってはコスパが良くありません。

 

「限られた定員の中でコスパの良い方を優先する。」という公共の福祉的な考えと、「職業選択の自由、人権問題」という個人の権利の問題です。

 

医師は医療界では影響力が大きいものです。

公共の福祉を優先する大学があっても不思議ではありません。

 

もともと人材が不足しているからコスパを重視しているのであって、人材が足りていればコスパを重視しなくても良くなります。

そのためには移民や少子高齢化の改善など、もっと大きな問題が根本にあります。

 

 

まとめ

私個人の意見としては、このニュースに関しては以前から薄々気づいていたので特に驚くことはありませんでした。

むしろ裏口入学の方が驚くぐらいでした。

 

女性と多浪の学生の入試の点数を下げることについては、100%賛成するわけではないですが日本の将来の医療業界を考えると、100%反対することはできないといった印象です。