医学生投資家あずまのメモ帳。

医学生が気になったことを適当にまとめるブログです。

ループ利尿薬(フロセミド)が高血圧に使われにくいのはなぜ?

 

こんにちは、あずまです。

 

ループ利尿薬(フロセミド)が降圧薬よりは浮腫改善薬として使われがちな印象があるので、なんでかなーと思いって調べてみました。

 

まず、高血圧治療薬の第一選択は5つあります。

いい図がなかったので、禁忌・慎重投与とともに一覧をどうぞ。

 

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高血圧治療ガイドライン2014(https://www.jpnsh.jp/data/jsh2014/jsh2014v1_1.pdf)より

 

 

ここで注目すべきは、利尿薬の後の()がサイアザイド系であることです。

 

利尿薬は大きく3つあります。

  1. ループ利尿薬(フロセミド)
  2. サイアザイド系
  3. 抗アルドステロン薬

 

この中で、降圧薬のメインとしてガイドラインに登場しているのがサイアザイドです。

ループ利尿薬、抗アルドステロン薬ではありません。

 

なぜサイアザイドは降圧薬のメインなのに、フロセミドはそうではないのか。

その理由を考えてみたいと思います。

 

※細かい機序は、出典をご参照ください。

 

 

サイアザイド系は作用時間が長く、効果がマイルドです。

 

詳しい作用時間は省きますが、サイアザイドは作用時間が長いです。

作用時間が長い方が、日頃の高血圧診療にとっては使いやすそうですね。

1日何回も薬を飲むより、朝1回だけで済んだら楽ですから。

 

また、効果がフロセミドに比べるとマイルドになっています。

これも、降圧薬としては使いやすそうですね。

 

このように、外来で高血圧を診る際にはサイアザイドがあっています。

 

 

フロセミドは作用時間が短く、利尿作用が強いです。

 

フロセミドは効果発現が早く、すぐに効果が切れます。

 

素早く効いて、素早く減弱するイメージです。

 

また、利尿作用が強いです。

利尿作用が強すぎてむしろ、「脱水⇨レニン分泌の促進」を引き起こしてしてしまいます。

レニン分泌促進はRAA系の活性化に繋がり、循環血液量が上がります。

 

効果が効いている間は体液量を下げますが、利尿作用が切れたら体液量が上がってしまうということです。

 

また利尿作用の強さから、サイアザイドで効果が効きにくい重症患者に用いられることもあります。

 

まとめ

 

サイアザイドは作用が長く、利尿作用がマイルド。

フロセミドは作用が短く、利尿作用が強い。

(強い利尿⇨脱水⇨RAA活性化⇨体液貯留になってしまう。)

 

サイアザイドは降圧に向き、

フロセミドは浮腫改善に向いている。

 

 

 

【参考】

https://www.jpnsh.jp/data/jsh2014/jsh2014v1_1.pdf

https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/102/9/102_2413/_pdf

http://www.jhf.or.jp/publish/pro/hint/c5/hint013.html