低Ca血症・高Ca血症のまとめ
こんにちは、あずまです。
カルシウムについてまとめてみました。
まずは基本事項
血中Ca値の正常値、補正値
Caの基準値:8~10 mg/dL
補正Ca=実測Ca+(4-Alb)
低Alb血症だと血中Caが過小評価される⇨実測Ca値に下駄を履かせる必要がある。
アルカローシスだとイオン化Caが低下するので、低Ca血症の症状が出現する。
血中CaはPTHとカルシトニンによって調整される。
PTH作用は4つの作用で血中Caを上げる(血中Pは下がる。)
①骨吸収⤴︎
②尿細管でCa再吸収⤴︎
③尿細管のHCO3-排泄⤴︎によるアシドーシスで骨吸収⤴︎
④腎での活性化Vit.D⤴︎で血中Ca
PTHの拮抗ホルモンはカルシトニン:血中Caを低下させる。
※ビタミンDは血中のCaとPの両方をあげるのに対し、
PTHはCaを上げ、Pは下げる。
高Ca血症について
原因
高Ca血症をきたす疾患・薬剤
- 副甲状腺機能亢進症
- サルコイドーシス
- 多発性骨髄腫
- 成人T細胞性白血病
- サイアザイド
症状
神経の興奮を抑制するのが基本です。
⇨昏睡、筋力低下、悪心、便秘、徐脈、房室ブロック
などの、神経系の興奮が抑制された症状が出ます。
他にも以下の様な症状があります。
分泌亢進作用⇨
ガストリン分泌亢進:消化性潰瘍
膵液分泌亢進:膵炎
その他:腎性尿崩症による多尿からの脱水、カルシウム結石
重篤になったら:クリーゼ
心電図の変化:QT短縮
低Ca血症について
原因
低Ca血症をきたす疾患
- 副甲状腺機能低下症
症状
神経の興奮を亢進するのが基本です
⇨けいれん、しびれ、テタニー
などの、神経系の興奮による症状が現れる。
しびれ(末梢神経の興奮:Chvostek徴候):耳下腺部を打鍵器で叩くと顔面神経が興奮して表情筋が収縮する
テタニー(筋興奮で関節屈曲:Trousseau徴候):マンシェットを巻くと手が助産師のように屈曲する
心電図の変化:QT延長
まとめ
高Ca血症
神経系の抑制症状+(分泌亢進による症状、腎性尿崩症)+QT短縮
低Ca血症
神経系の興奮症状+QT延長